渡していないのに、それらしく返ってくる
ここがいちばん伝えたい所です。
たとえば、AIに「昨日の会議の内容をまとめて」と頼んだとします。でも、会議の内容は一切渡していない。当然、AIは昨日の会議で何が話されたかを知りません。
それでもAIが、もっともらしい議事録を作ってしまうことがあるんですよね。実際には誰も言っていない内容が、本当に会議で決まったことのような顔で並んでいる。
これが、ハルシネーション
情報が足りないと、AIは空白を予想で埋めようとします。
AIが、事実ではない情報を事実のように作ってしまう現象を、ハルシネーションと呼びます。世間で「AIが嘘をつく」と言われているのは、だいたいこれです。

ただし、情報が足りないことだけが原因ではなくて、十分な情報を渡していても間違えることはあります。なので、材料を渡すことと合わせて、わからないことをわからないまま伝えてもらえるようにしておくのも大事です。そのやり方は次のSTEPで渡します。
AIは魔法使いじゃない、料理人に近い
どんなに腕のいい料理人でも、材料を渡さずに「最高の料理を作って」と言われたら困ります。冷蔵庫にあるものでなんとか作ろうとするでしょうけど、それが本当に食べたかった料理になるとは限らない。一方で、食材を用意して、好きな味や苦手なものを伝えれば、料理人はその情報をもとに腕を振るえます。
| 料理人なら | AIなら |
|---|---|
| 注文 | プロンプト |
| 食材や好みなどの判断材料 | コンテキスト |
| 料理人の腕前 | AIの能力 |
腕がよくても、材料が足りなければ作れる料理には限界があるし、材料がよくても、腕によって出来栄えは変わります。だから、良い答えを引き出したいなら、注文の言い方ばかり工夫するのではなく、何を材料として渡すかを考える必要があります。
もっともらしい答えを見た時
具体的な数字や名前まで入っていて、言い切りも強いので、正しいと思ってそのまま使う。
具体的なことと正しいことは別です。材料が無い所ほど、AIはそれらしい中身で埋めてきます。もっともらしい答えを見たら、答えを疑う前に「その元になる材料を、自分は渡したか」を先に確かめてください。
AIの答えがそれらしいほど、材料を渡したかを先に疑う。渡していない所に書かれていることは、予想で埋められた可能性があります。