AIは足し算じゃない
出力の質は、自分の力とAIの掛け算で決まります。
多くの人は、AIを足し算だと思って使い始めます。 自分に足りない分を、AIが足してくれる。何も無くても、AIがあれば形になる。 僕も最初はそう思ってました。
実際に使い込んで分かったのは、これは足し算ではなく掛け算だということです。 自分の側に渡せるものがたくさんある人は、AIで何倍にも増幅される。 渡せるものが無い人は、何を掛けても増えない。 ゴミを渡せば、ゴミが返る。きれいな言い方をしても、仕組みはこれです。

悩みリサーチをしていて、AI解説動画のコメント欄でいちばん共感を集めていたのが 「優秀な出力の裏には、優秀なプロンプトを書く人がいる」という趣旨の声でした。 使っている人たちは、もう気づき始めています。
「仕事を奪われる」への、僕なりの答え
AIで仕事がなくなる、という不安。あれもこの式で見ると整理できます。 なくなっていくのは「平均的な出力で足りる仕事」です。 全任せで出せるものは、誰がやっても同じなので、値段が付かなくなっていく。
逆に、自分の側に掛けるものを持っている人は、 同じ道具を使って、平均では出ない出力を出せる。 だから進む方向は、AIから逃げることでも、AIに置き換わられるのを待つことでもなくて、掛け算の左側を大きくしながら、使う側に回ることだと思ってます。
AIに頼るのではなく、自分を鍛えて、AIで増幅する。この学び場の全コースは、この向きで作ってあります。
丸投げすると、無駄だけがたまる
掛け算の話を、もう少し手元まで下ろします。 「アイデアください」「案を出して」「添削して」。 頼み方がこの形だけで止まっていると、 使えば使うほど無駄がたまっていくAI沼のほうへ落ちていきます。
薄いものが返ってくるから言い方を少し変えてもう一度頼んで、 それも薄いから今度は別のAIで試して、そうやって時間だけが減っていくのに、 渡している情報のほうは最初から一度も増えていない。 掛ける相手をいくら変えても、左側が空っぽなら出てくるものは変わらないんですよね。
で、直し方はそんなに大げさな話じゃないです。 「◯◯の情報をもとに◯◯で進めたいんですが、他にいい案があれば出してください」。 手元にある材料と、自分が考えている方向を先に置いてから相談する。 これで返ってくるものが変わります、同じAIのままでも。
使いこなしている人ほど、頼む前に必要な情報を必ず渡しています。
距離感で言うと、AIは部下ではなくアシスタントです。 こちらの事情を察して足りない分を埋めてくれる相手ではないので、 渡していないことは知らないまま返事が来る。 裏を返せば、渡したぶんはそのまま出力に乗る。 ここを変えないまま使い続けるのが、正直いちばんもったいないと思ってます。
で、左側って何なのか
ここまで読んで、こう思いませんでしたか。 「自分を鍛えるって、具体的に何を鍛えるの」と。
もっともな疑問で、根性論で終わらせる気はないです。 鍛える対象は3つに絞れます。次のSTEPで、その3つを見ていきます。
- 足し算と掛け算の違いを、自分の言葉で説明できる
- 「ゴミを渡せばゴミが返る」の意味が、仕組みとして分かった
- 仕事がなくなる不安に対して、自分の進む向きが言える