作り方は、説明しなくていい
どう作るかではなく、どうなっていてほしいかを言います。
コードが書けないんだから作り方は説明できない、それでいいんです。知らないことは、そのまま強みになります。知っている人ほど、途中の作り方を指定して、かえって遠回りするので。
ただ、「いい感じの道具作って」で作れるわけでもない。 プロの現場では要件定義書という、作る前に決めごとを全部書き出した書類を作るんですが、 そこまでは要りません。口頭でいいので、作る前に絶対に言うことが4つあります。
作る前に言う4項目
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 1. 何を作るのか | その道具で何をするのか。概要をざっと |
| 2. 誰が使うのか | どういう人が使うのか。最初は「自分だけ」でいい |
| 3. いつ使うのか | どういう場面で開くのか |
| 4. 合格ライン | 何ができたら完成か。YesかNoで判断できる形で |
1は、作るものの説明です。長くなくていいです。 「画面を撮って、線や文字を書き込める道具」くらいの粒度で、 何をするためのものなのかが伝わればいい。
2と3は近い話なんですが、分けて言う意味があります。 誰が使うのかで作りの丁寧さが変わって、 いつ使うのかで形が変わるので。 たとえば同じメモの道具でも、思いついた瞬間に開くものなら開くまでの速さが命だし、 週末にまとめて見返すものなら一覧のしやすさのほうが大事になります。
4つめだけ、書き方にコツがあります
合格ラインは、YesかNoで答えられる形にしてください。 ここが曖昧だと、出てきたものが完成なのかどうか、誰にも判断できません。 作っている向こうにも、頼んだ自分にも。
| 曖昧(判定できない) | YesかNoで答えられる |
|---|---|
| 使いやすい感じになっている | 文章を貼ると、文字数が出てくる |
| 見た目がいい | スマホで開いても、文字がはみ出さない |
| ちゃんと動く | 撮った画像に矢印を描いて、コピーできる |
左の列は、できているとも、できていないとも言えてしまいます。 右の列は、やってみれば一目で分かる。自分が実際にやる操作を、そのまま書くだけです。
4つそろえると、こうなります
自分用の道具を1つ作りたいです。作り始める前に、まず内容を聞いてください。
4つの中身を、自分の作りたいものに書き換えてください。
【何を作るか】文章を貼ると文字数を数えてくれる、小さい道具 【誰が使うか】自分だけ 【いつ使うか】投稿の下書きを書いている途中、字数を確かめたくなったとき 【合格ライン】 ・文章を貼ると、文字数が出てくる ・決めた字数を超えていたら、超えていることが見て分かる まだ作り始めないでください。この内容で足りないところがあれば、先に質問してください。
このお願いの型は、「自分専用ツールを作る(小物編)」で実際に使います。ここでは型だけ持って帰ってください。
4つ言えないものは、まだ作らないほうがいいです。言えないまま作り始めると、出てきたものが合っているのかも判断できません。
つまずきやすいところ
4つも考えるのが面倒なので、とりあえず「こういうの作って」で始めたい。
始められはします。ただ、曖昧に頼むとAIは空白を憶測で埋めるので、頼んだ覚えのない機能が付いた別物が出てきます。それを1個ずつ削って直すほうが、先に4つ言うよりずっと面倒でした。僕は両方やったので断言できます。
ここまでのまとめ
- 作る前に言う4項目を、順番に言える
- 合格ラインをYesかNoで答えられる形にする理由が分かっている
- 作りたいものを1つ思い浮かべて、頭の中で4つ埋めてみた