読み方の次は、頼み方

前のSTEPの差し引きは、いわば受け身の技です。 もう一歩進めて、最初から本音で話すように頼んでしまうこともできます。 僕が実際に使っているのは、この3つです。

  • 「厳しめに採点して」。 採点という枠を渡すと、褒め役から審査役に切り替わります
  • 「弱点だけ挙げて」。 良い点を言う場所をなくすと、包み紙ごと消えます
  • 「点数を付けて。理由も」。 数字は誤魔化しが利かないので、90点の理由と引かれた10点の中身が見えます

そのまま使える形

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この下書きを見てください。

1行目のあとに、見てほしいもの(文章・案・計画など)を貼ってください。

お世辞抜きで、厳しめに採点してください。 ・100点満点で点数を付けて、引いた点の理由を具体的に ・良い点は1つだけ、直すべき点を3つ ・直すべき点は、どう直すかまでセットで

「お世辞抜きで」と書いても多少のお世辞は残ります。そういうものです。 それでも、何も言わない場合と比べると、指摘の量も具体性も目に見えて変わります。

低い点は、上げていくためにある

さっきのプロンプトで採点させると、たぶん思ったより低い点が返ってきます。 60点とか、70点とか。 へこむところなんですが、ここからが本番で、引かれた点の理由が、そのまま直す場所のリストになっています

続けて、こう投げます。

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さっきの採点の続きです。

引かれた点の理由を1つずつ潰して、100点に近づくように書き直してください。 ・どこをどう直したかを、一覧で添えてください ・直し終わったら、同じ基準でもう一度採点してください

採点して、直させて、また採点する。 この1周を回すたびに、点数と一緒に中身が上がっていきます。 1回の答えで終わりにしないのがコツで、 僕は人に見せるものほど、この周回を多めに回してから出しています。

2周か3周で頭打ちになったら、そこがいまの上限です。 残りの点は、自分で読んで決める側の仕事だと思ってください。

見せるものが、まだ無いとき

ここまでは、採点してもらう物が手元にある前提の話でした。 ただ、危ないのはむしろ、まだ何も作っていない段階なんですよね。 思いついたことをそのまま話して、いいですねと返ってきて、その勢いで作り始めるやつ。

採点する物が無いときは、物ではなく、自分の考えのほうを見てもらいます。

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いま考えていることを話します。◯◯をしようと思っています。

◯◯は、いま自分が考えていることに置き換えてください。

私の考えの甘いところを、遠慮なく全部指摘してください。 ・あなたから見て、私が見落としている前提があれば挙げてください ・良いところは書かなくていいです ・指摘には、なぜそう思うかを添えてください

自分から甘いところを出してくださいと言ってしまうと、向こうは遠慮する理由が無くなります。先に自分の弱いところを差し出す形なので、頼み方としてはいちばん強い。

で、後半の「見落としている前提」のほうが、当たりが大きいです。 前提というのは、自分が当たり前だと思っていて一度も確かめていないことなので、 探そうとしても自分では見つからない。毎日続けられる前提で考えていたとか、 途中で気が変わらない前提で決めていたとか、言われて初めて見えるやつです。

頼んだ厳しさは、へこまない厳しさ

厳しくさせるのが怖い人もいると思うんですが、 これ、実際やってみると不思議とへこまないんですよ。 自分から「厳しくして」と頼んでいるので、 指摘が来ても「よし、来た」という受け取り方になる。 不意打ちの批判は痛いけど、注文した批判は材料なんですよね。

ここだけ覚える

採点・弱点・点数。この3つの頼み方で、褒め役は審査役に変わる。外に出すものは、出す前に1回これを通す。

つまずきやすいところ

厳しくさせたら、今度は言われたことを全部直さなきゃいけない気がしてくる。

審査役の指摘も、しょせん提案の1つです。3つ指摘が来て、直すのは1つでもいい。「どれを採用するか」は自分の仕事として残しておいてください。全採用を続けると、今度は自分の判断が消えていきます。

ちなみに、この「頼み方を採点させる」を毎回やるのが面倒になってきたら、 採点係そのものを自作できます。AI基礎の「ChatGPTで採点係を作る」でやっているので、 このコースが終わったら覗いてみてください。

終わったら、ここが言えるか確かめる
  • 本音を引き出す頼み方を3つ言える
  • 採点→改善→再採点を、1周回してみた
  • まだ作っていない考えを、前提から見てもらう頼み方を知っている
  • 指摘の採用・不採用を自分で決める理由が言える