本体は変えずに、差し込むものを増やす
MCP(AIと道具をつなぐための、共通の差し込み口の決まりごと)。 大事なのは形のほうで、AI本体はそのままに、外側に道具を差していくという形になっています。
パソコンに何かを差すのと同じで、差した先が何であっても、 差し込み口の形が同じなら入る。その差し込み口の形を、みんなで同じにしましょうというのがMCPです。
呼び分けを1つだけ。MCPは、つなぐ仕組みそのものの名前で、差すもの1つ1つは「MCPサーバー」と呼びます。「GitHub MCPサーバーを入れる」のように使います。 差し込み口の規格がMCPで、差す道具がMCPサーバー。この2つだけ覚えてください。
たとえば、こういうものが差せます
抽象的に言っても伝わらないので、有名どころを3つ、名前ごと出します。 どれも実在するMCPサーバーです。
- GitHub MCP。これを差すと、GitHubのIssue(作業のメモや要望を書き溜める場所)の読み込み・検索・コメントを、 チャットから直接やってくれます。変更の提案(プルリクエスト)の中身を 自動でレビューして、改善点を出させることもできる
- Context7 MCP。これ、めっちゃいいです。 Claude CodeやCodexが持っている知識は、学習した時点で止まっています。 Context7を差すと、いま使っている部品(ライブラリ)の最新の・バージョンごとの説明書をリアルタイムで参照しながら作ってくれる。 古い書き方で作られて動かない、が消えます
- Playwright MCP。AIが実際にブラウザを操作できるようになります。ページを開く、クリックする、 フォームに入力する、スクリーンショットを撮る、表示結果を確かめる。 作った道具のテストを、テストの仕組みを1行も書かずにAIにやらせられます
僕はContext7を、Claude Code にも Codex にも同じものを入れてあります。 片方のために作られたものではないので、両方で使えるんですよね。 道具を乗り換えても、差してあるものは持っていける。本体より、差してある物のほうが長生きします。
数は多くなくていいです。全部つなぐものではなくて、 自分が毎回困っているところにだけ差します。
つないでも、賢くはならない
増えるのは、届く範囲だけです。
ここを勘違いすると、期待した方向とずれます。 つないでも、文章がうまくなるわけでも、考えが深くなるわけでもない。手が伸びる範囲が広がるだけです。
| つないでも変わらないもの | つなぐと変わるもの |
|---|---|
| 答えの質そのもの | 答えを作るときに見られる材料 |
| 考える力 | 自分で取りに行けるかどうか |
| こちらの頼み方の下手さ | こちらが毎回貼る手間 |
右の列だけで十分デカいです。 毎回こちらが材料を集めて貼っていた作業が、そのまま消えるので。
差し込んだものは、3つに分かれます
もう一段だけ細かい話をします。これを知っていると、つないだのに使われないのはなぜか、が自分で分かるようになります。
1つ差すと、中身はたいてい3種類に分かれて出てきます。 分かれ目は誰が使うと決めるかです。
| 種類 | 誰が決めるか | たとえば |
|---|---|---|
| やってくれること | AIが、要ると思ったときに自分で使う | 説明書を読みに行く/ファイルを開く |
| 読めるもの | つないだ先が差し出す。AIはそれを読むだけ | そこに置いてある資料の一覧 |
| 決まった頼み方 | こちらが選んで呼び出す | 「この形でまとめて」の型が最初から入っている |
つないだのに何も起きない、というときは1つめが呼ばれていないだけのことが多いです。 「さっきつないだ道具を使って調べてください」と名指しすると動きます。 3つめは、そもそも自分から呼ばないと出てきません。
ここまでのまとめ
つなげばつなぐほど、AIが強くなっていくはず。
増やすほど、どれを使えばいいのか本体が迷います。使われないものが混ざっていると、こちらが毎回どれを使うか名指ししないといけなくなって、かえって手間が増える。困っているところに1つずつ、が結局いちばん速いです。
MCPは、AIの外側に道具を差すための共通の口。賢くなるのではなく、届く範囲が広がる。
- MCPを、自分の言葉で1文で説明できる
- つないでも答えの質そのものは変わらないと分かっている
- つなぐと自分の何がラクになるかを、1つ言える