まとまってから相談、をやめる
考えがまとまっていないから相談できない、が逆です。まとまっていないまま渡します。
相談ごとって、きれいに説明できる状態ならもう半分解決してるんですよね。 困っているのは、頭の中がぐちゃぐちゃで、 何に迷っているのかすら言葉になっていないとき。 そのぐちゃぐちゃを、ぐちゃぐちゃのまま流し込んでいい方法があります。
僕が壁打ちでいちばん使っているのがこれです。 思いつくままに書き散らしたものを渡して、アドバイスをさせる前に、まず「処理」をさせる。整理して、芯を見つけて、矛盾に印を付けて、抜けを挙げて、正直な感想まで言わせてから、 最後に自分の声で初稿を書かせます。
そのまま使えます
雑な思考を、5ステップ処理して初稿にする
以下に、私のフィルターなしの思考をブレインストームします。乱雑で、不完全で、順序もばらばらです。それが意図です。アドバイスや解決策に飛ばないでください。まず、私が言ったことを処理してください。 (ここに、頭の中にあるものを思いつくまま全部書く。箇条書きでも、話し言葉のままでもいい) あなたの仕事は、これを5つのステップで処理することです。各ステップを、最終出力の前に私に見せてください。 1. 整理する。私が言ったことを明確なテーマにグループ化します。各テーマを平易な言葉でラベル付けしてください。 2. 貫く線を見つける。私が到達しようとしていた中心的な議論やアイデアを特定します。たとえ私が直接言わなかったとしても。1文で述べてください。 3. 矛盾をフラグ立てする。私が自分自身に反論した箇所や、両立しない2つの立場を同時に持っていた箇所を見せてください。解決はしないで、名前を付けるだけにしてください。 4. 欠けているものを挙げる。私が示唆したのに言わなかったこと、挙げたのに答えなかった質問、気づかずに置いている前提を指摘してください。 5. 正直な読みをください。私はどこで正しいか。どこで自分を騙しているか。思考が強い箇所はどこで、どこに圧力がかかると崩れるか。 そのうえで、5つのステップすべてをふまえて、私が実際に言おうとしていたことを捉えたクリーンな初稿を書いてください。構造化され、首尾一貫し、私の声で。
かっこの部分に、自分の思考をそのまま流し込んでください。整えなくていいです。
効いているのは、順番です
長いプロンプトですが、やっていることは1つで、答えを出させる前に、こちらの頭の中を先に扱わせているだけです。
| ステップ | 何が起きるか |
|---|---|
| 整理・貫く線 | 散らかった話が束になって、自分が何の話をしていたか分かる |
| 矛盾・欠け | 自分では見えない、考えの穴が出てくる |
| 正直な読み | 強いところと崩れるところの、地図ができる |
| 初稿 | ここまでの全部をふまえた、自分の声のたたき台が残る |
いきなり「どうすればいいですか」と聞くと、 一般論のアドバイスが返ってきて終わりです。 処理を先にやらせると、返ってくるものが自分の話になります。

やってみる
- いま考え中のことを1つ選ぶ。決めかねていること、企画、悩み、何でもいい
- かっこの部分に、頭の中のものを全部吐き出す。誤字も順番も気にしない
- 送って、5つのステップを順番に読む
初めて通すと、ステップ3と4で少しうっとなると思います。 自分の矛盾って、人に指摘されないと本当に見えないので。 で、最後の初稿を読むと、言いたかったことがそこに書いてある。 雑に吐き出したもののほうが、うんうん唸って書いた説明より良い初稿になるんですよね、不思議と。
渡す前に、思考をある程度きれいに整理してから貼ろうとする。
整理は向こうの仕事です。こちらで整えてから渡すと、整えた時点で落ちた話は処理されません。「乱雑で、不完全で、順序もばらばら。それが意図です」とプロンプト自身に書いてあるとおり、汚いまま渡すのが正解です。
- 考え中のことを1つ、雑なまま流し込んだ
- 矛盾か欠けの指摘で、自分になかった視点を1つ拾った
- 初稿を受け取って、たたき台として残した