鍛えるのは3つだけ
掛け算の左側、つまりAIに渡せる自分の力。 分解すると、鍛える場所は3つです。
| 何 | どういう力か | 無いと何が起きるか |
|---|---|---|
| 知識 | 用語、仕組み、手法、選択肢を知っている | 知らない選択肢は、そもそも頼めない |
| 言語化 | 目的、条件、違和感、完成イメージを文章で渡せる | 頭の中にあっても、渡せない |
| 経験・判断力 | 試した回数と、そこで育った良し悪しの基準 | 弱い答えを、弱いと見抜けない |
2つ目と3つ目は、少しだけ言い足しておきます。 言語化は、AIがどれだけ賢くなっても要ります。 入力されていない意図までは、正確には読めないので。 経験・判断力は、試した回数そのものより、 その中で育つ「この答えは弱い」「ここを直せば良くなる」という基準のほうです。
「知らない言葉の作業は頼めない」の話
1つ目の「知識」は、想像より効きます。 たとえば、図やイラストで情報を整理した画像のことを 「インフォグラフィック」と呼ぶんですが、 この言葉を知っている人は「インフォグラフィックにして」と一言で頼めて、 知らない人は「なんかこう、図でいい感じに」と説明して、 いい感じじゃないものを受け取ることになります。
AIは何でもできるのに、こちらが名前を知らない作業は、この世に無いのと同じになる。 知識が、頼める範囲をそのまま決めているわけです。
知っている言葉の数だけ、AIに頼める作業が増える。 学ぶことは、AI時代でも回り道ではなく、頼める範囲の拡張です。
で、この3つは別々に育つものではなくて、回ります。 知識が増えると言語化が細かくなって、細かく頼めると試せることが増えて、 試すほど良し悪しが分かって、また知識が増える。 AIを使える人と、AIになんとなく質問している人の差は、 この循環が回っているかどうかで、だいたい説明できます。
3つのうち、どれが足りていないか
ここで1回、自分のことを考えてみてほしいんですけど、 3つのうち、いまの自分にいちばん足りていないの、どれだと思いますか。
- 知識が足りない人。AIの話題で知らない言葉が多い。 何ができるのかが、そもそも分からない
- 言語化が足りない人。頼もうとすると「えっと、つまり」で止まる。 頭の中にはあるのに、文章にならない
- 経験・判断力が足りない人。読んだり見たりはしているけど、 自分の手ではまだほとんど動かしていない。動かした数が無いと、見る目も育たない
どれか1つは心当たりがあったと思います。それが分かれば、この STEP は目的達成です。 次の STEP で、その1つを起点に鍛える計画を作ります。
3つ全部足りていない気がして、逆に何から手を付けるか分からなくなった。
全部足りないのは、始めたばかりなら普通です。その場合は「経験・判断力」から埋めてください。手を動かすと、知らない言葉に出会い、言葉にする練習にもなるので、経験だけは他の2つを勝手に連れてきます。
- 鍛える対象3つを、何も見ずに言える
- 知識が「頼める範囲」を決める理由を、例を挙げて説明できる
- 自分にいちばん足りていない1つを選んだ