うまくいった話だけ聞いても、再現できません
ここまでのSTEPは、通った道の話でした。このSTEPは、落ちた穴の話です。 作り話は入れていません。全部、この学び場を作っている途中で実際に起きたことです。 ここは全部書いておきます、格好がつかないところも含めて。
事故は1つずつ、同じ形で見せます。何が起きて、なぜ起きて、どう直して、そのあと何をルールにしたか。最後の1つが大事で、ルールに変えていないものは、必ずもう一度起きます。
日本語の中に、外国の文字が1つ混ざる
いちばん怖かったやつから。
| 起きたこと | |
|---|---|
| 何が起きた | AIが書いた日本語の記事の中に、外国語の文字が1文字だけ混ざっていた |
| なぜ起きた | 文章を作る途中で、見た目のよく似た別の文字が紛れ込むことがある |
| どう直した | すぐ気づいたので「ここ絶対直して。以降こういうものが無いようにしてください」と指定した |
| 何をルールにした | 外国語の文字が混ざっていないかを、出す前に毎回機械で確かめる |
このときは、たまたますぐ気づけました。 ただ、見た目がほとんど同じ文字なので、毎回自分の目で拾える自信はまったく無い。だから「気をつける」で終わらせずに、機械の確認に変えました。 これが、STEP 4で「数えられるものは機械へ」と書いた理由です。 人の目は読み心地のような、数えられないものには強い。 でも、こういう1文字は、いつか必ず見逃します。
図解は、指定を1行落とすたびに崩れる
図解のほうは、事故が4つあります。どれも同じで、指定に書き忘れた行が、そのまま崩れとして出てきただけです。
| 何が起きた | なぜ起きた | 何をルールにした |
|---|---|---|
| キャラクター以外の道具や箱まで黒く塗られて、キャラと見分けがつかなくなった | 塗っていい範囲を書いていなかった | 面を黒く塗りつぶさない。塗っていいのはキャラだけ、と毎回書く |
| 橙が面でベタ塗りされて、そこだけ質感が浮いた | 橙をどう使うかを、位置しか指定していなかった | 橙も線で描く。面をベタ塗りしない、と毎回書く |
| キャラの頭が大きく、脚が極端に短い2頭身になった | 頭身の指定を書き忘れた | 頭身を必ず数字で書く |
| 横顔のときに白目が描かれて、別人の顔になった | 目の描き方の指定を書き忘れた | 白目を作らない、と毎回書く。顔が入る図は正面向きにする |
直し方のほうも、事故のたびに変わりました。 最初は毎回1から作り直していたんですけど、それだと直したいところ以外まで変わるし、 絵柄も微妙にずれるので、いまは出来ている絵をそのまま渡して、 ここだけ描き直して、それ以外は1ピクセルも変えない、と頼む形にしています。 変えてほしくないものは、名指しで全部並べる。
崩れが1回起きるたびに、共通の指定が1行増えました。 いまの指定が長いのは、そのぶん全部やらかしたからです。
無い画面を、作りたくなる
これは事故というより、誘惑の話です。
| 起きたこと | |
|---|---|
| 何が起きた | AIが答えを返してきた画面を記事に載せたくなった。実際には撮れないので、それらしく作らせようとした |
| なぜ起きた | 説明したい場面が、たまたま画面としては存在しないものだった |
| どう直した | 作るのをやめて、その節の考え方そのものを図解にした |
| 何をルールにした | 実在しない画面は作らない。撮れるものだけを写真として載せる |
作れば作れます。それらしいものは出る。 ただ、実在しない画面を実在するように見せた時点で、教材としては終わりだと思っていて。 読む人は、書いてあるとおりに操作します。 その画面が本当は無いと分かった瞬間に、他の記述も信じられなくなる。
撮れないものは、図にする。似せない。
なので、この学び場の画像は2種類に分けてあります。 実際の画面を撮った写真と、考え方を描いた図解。混ぜません。
参考をそのまま持ち込むと、暴れる
| 起きたこと | |
|---|---|
| 何が起きた | 参考にした画面の派手な動きをそのまま持ち込んだら、あちこちが動いて落ち着かない画面になった |
| なぜ起きた | その動きが参考の側で何のためにあるのかを見ずに、形だけ借りた |
| どう直した | 動く場所を減らして、いちばん見てほしい1箇所だけ残した |
| 何をルールにした | 参考から借りるときは、借りたいところと借りたくないところを分けて言う |
STEP 3で「見本を渡す」と書きましたが、丸ごと渡すという意味ではないです。そのまま渡すと、そのまま来ます。いいなと思った理由のほうを言葉にして、そこだけ借りる。

事故は、ルールに変わったぶんだけ残ります
ここまで7つ出しました。どれも、起きた時点ではただの失敗です。ルールに変えた瞬間だけ、次から効くものに変わる。
変え方は難しくないです。「◯◯するな」ではなく「◯◯すると△△になるから、◯◯しない」の形で書く。 理由が付いていないルールは、忙しいときに自分で破ります。
事故が多すぎて、自分がやったら同じかそれ以上にやらかしそう。
やらかします。というか、やらかさない前提で進めるほうが危ないです。大事なのは事故を減らすことではなくて、1回起きた事故が2回目に起きない形にすること。ここで挙げた7つは、どれも2回目が起きていません。理由は単純で、直したあとにルールを1行足したからです。
ここまでのまとめ
事故は起きたこと・なぜ・どう直した・何をルールにしたかの4つで記録する。 ルールにしていない失敗は、必ずもう一度起きる。
- 人の目では拾えないものがある、と分かった
- 実在しない画面を作らない理由が言える
- 失敗をルールに変えるときは、理由も一緒に書くと分かった