細かく指定するほど、良くなる?

5つを渡すなら、いっそ全部こっちで決めて細かく指定したほうが確実じゃない?と思った人もいると思います。ここから導かれる、もう1つの法則があります。

良いプロンプトは、AIの自由を奪うものではなく、判断の迷いを減らすもの。

デザインを頼む、2つの言い方

YouTubeのサムネイルを作ってもらう場面で比べてみます。

頼み方何が起きるか
背景は黒、文字は白、タイトルは左、画像は右、フォントは48px指示どおりの物はできる。でも、それが最も良いデザインとは限らない
ビジネス系の動画。目的はクリック率を上げること。スマホの小さな表示でも内容が伝わること。参考画像はこちら。視線の流れと情報の優先順位を考えて、最も合っていると思う構成を選んでほしいAIがデザインを判断する余地が生まれる。目的と条件の中で、いちばん良い形を探してくれる

クリック率というのは、表示された回数のうち、実際に押された割合のことです。もちろん、実際にクリック率が上がるかどうかは、公開したあとの数字で確かめる必要があります。ただ、2つ目の頼み方なら、AIは「何のために、どこまで決めていいか」が分かったうえで選べます。

つまずきやすいところ

任せる余地を残すと、思い通りにならなさそうで不安になる。

絶対に外せない条件は、自由度のところで「守ること」として書いておけば、守られやすくなります。任せるのは、その条件の内側でどう組むか、の部分だけです。全部を指定すると、自分が思いつく以上の物は出てきません。

細かい指示を、置き換えて頼む

そのままコピーして使えます

これまで細かく指定して頼んでいた頼みごとを、目的と条件に置き換えて頼み直したいです。 まず、私が前に頼んだ時の指示を、そのまま貼るように私に求めてください。 それを読んだら、目的と、絶対に外せない条件と、参考にする物だけを残して、それ以外はあなたが判断する頼み方に書き直して見せてください。 私がOKしたら、その頼み方で、最も合っていると思う形を選んで作ってください。

補足 送ると、前の指示をAIのほうから聞いてきます。前に送った文を履歴からコピーして返せば大丈夫です。

任せるほど、ここが大事になる

この考え方は、この先のAIエージェント(自分で作業を進めてくれるAI)の時代には、さらに大事になると思っています。AIに作業を任せるほど、人間が途中で判断する機会は減るからです。頼む時点で、次の4つが渡っているかどうかで、任せた作業の着地が決まります。

  • 何を達成すべきか
  • 何を根拠に動くべきか
  • どこまで自分で判断していいか
  • 何をもって完了とするか
ここだけ覚える

AIへの指示を磨くより、AIが正しく判断するための環境を整える。ここを用意できる人は、特定のプロンプトに頼らず、どのAIでも使いこなせるようになると思います。

判断する物が無いと、AIは予測で埋める

最後に、ここまでの話を裏から見ておきます。判断するための情報が無ければ、無い物は無いので、AIは手元にある知識から予測して出すしかありません。その予測が外れたまま、もっともらしい形で出てきてしまうのが、よく「AIが嘘をつく」と言われるハルシネーションです。なぜ起きるのか、材料をどう集めればいいのかは、次の「コンテキストの真価」で話します。

終わったら、ここが言えるか確かめる